「文藝春秋」の4月号に、松江城、小泉八雲の旧居と共に風流堂が紹介された。

「春薫る名城へ」とのシリーズで、掛川城とうなぎ屋さんなどと並べた企画である。

松江はお茶とお菓子の街、その中で、不昧公が好んだとされる「山川」本舗 風流堂として取り上げられた事は、この上ない名誉だ。

松江市の市制が施行されたのが明治22年。風流堂は翌年の明治23年に創業した。丁度その年23年は、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)がはるばる米国から松江に教師として着任した年である。

市制が布かれた事と、ラフカディオ・ハーンが来日、来松した同時期に当社が創業した事は、私にとっては大変意義深い事である。

昨年、アイルランドのトラモアに、「小泉八雲記念庭園」がオープンした。小泉八雲の曾孫である小泉凡さんご夫妻と一緒に、私共アイルランド協会の会員も多数、その開園式に参列した。

プロジェクトの中心で活躍されたアグネス女史御夫妻が今松江に滞在中で、昨夜は地元の山陰日本アイルランド協会の歓迎会が開かれた。

名声が世界的に拡がる小泉八雲。国宝になって輝きを増す松江城。

不昧公没後200年記念を2年後に控えて、不昧公御好みのお菓子を受け継ぐ我々も一層の精進を、と心にきざむ昨今である。

風流堂 内藤 守

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